大時計の重い重いぜんまいを巻き終えた
あとは動く様を眺め
おかしな引っかかりがあれば
動きつづけるなかで取り払い
動かなくなったときには
再び動くようにどんな手段を施す
決まった時間に鐘を響かせるために
初めて買った時計が
初めて時計を作った技師によるもので
なにが起こるかわからない
でも2台目を買うお金はない
それに自分ひとりのものじゃなく
時計の鐘を頼りにする人がたくさんいて
それまでの時間もわずかだ
だから
動かしながら修理やら調整するのが妥当だ
最終的にひとり立ちしてもらうために
おかしな比喩だが
おれのしごとです